書評: となりの億万長者 (英題: The Billionaire Next Door)

書評: となりの億万長者 (英題: The Billionaire Next Door)

この度、楽して億万長者になる方法はないもんかと思ってこちらの本を読んでみました。

  • タイトル: となりの億万長者
  • 訳者: 斎藤 聖美, 著者(原著): トマス・J・スタンリー, ウィリアム・D・ダンコ
  • 総評: 70 点
  • 読書開始: 2019/07/20
  • 読書終了: 2019/07/23
  • リンク: https://amzn.to/2LBUMKZ

TL; DR.

投資初心者本を探していて、細かい手法や制度よりもそもそものロジックや考え方についての本としてよくこの本が紹介されていて、増販回数も多かったのでこれを手にとってみました。"おとなり"ではなく、ワイが億万長者になりたいんだが、、、と思いながら賢者は歴史に学ぶという言葉を参考に読んでみたら、結構おもしろくて一気に読んじゃった。 内容としては、ぱっと見全然普通の人に見える人が億万長者というのはあなたが思ってるより多いので、宝くじを当てたり事業を一発当てたりしなくても億万長者になれる方法もあるかもしれませんよという内容でした。また、億万長者の特徴を多角的にデータ分析された本で、独自の統計データが多く掲載されているのもおもしろかったです。 ただ、やはりアメリカの本なので消費性向がやや強いきらいもあって、日本人の金の使い方と比べていささか格差を感じる部分もありました。

あ、この本内での億万長者とは資産合計金額が 100 万 USD を超える人々のことです。(年間所得が 100 万 USD を超える人ではありません)

よかったところ

億万長者の統計データがたくさん載ってる

例えば

  • アメリカの総所得税のうちたった xx%が全体の yy%を占めてる
  • 億万長者が衣服に使う金額
  • 億万長者が腕時計に使う金額
  • 億万長者が車に使う金額
  • 億万長者の事業ごとの利益率、黒字事業者率、またそれらの 10 年間の推移
  • 車の買い方から見るタイプ別億万長者
  • 職業別億万長者
  • 子どもに与える資産金額の割合
  • 民族別億万長者(アメリカでは開拓の名残でイギリス系アメリカ人に億万長者が多いという都市伝説がある)
  • 億万長者の心配事一覧
  • 億万長者が残す遺産金額

みたいな。特に億万長者の金の使い方を見ることで、所謂ワイらがメディアで見かける億万長者は目指すべき対象ではないということがわかるような内容になってるし、何より例えば億万長者の xx%は yy ドル以下の車にしか乗らないみたいなデータは読んでいておもしろかったです。

貯蓄優等生 vs 貯蓄劣等生

貯蓄優等生は収入が上がっても支出はそこまで上がらず、質素倹約してるという話と貯蓄劣等生は年収 10 万 USD を超えても衣服や時計や車や会員制クラブに金がかかってしゃーないという話。 個々人のある程度をどのあたりの落とし所に設定するのかが、資産形成にダイレクトに響きますよという話で、当たり前といえば当たり前ですが、消費性向が強いワイとしては学びになりましたw

子どもに何を残すか

億万長者の子どもはなぜ資産形成が下手なのかについて書かれています。親は何を残してあげるべきか、つまり寮のある海外の学校にぶちこめってことですよね!!わかります。

ビジネスチャンス

後半は人によって賛否が分かれそうですが、億万長者には 1 代で財を築いた人が多く、どういう分野に張るべきか、どういう専門職に子息をつかせるべきかという話が億万長者データとともに載ってます。ワイ、大学の学部これで決めよっかなとか安易に思ったりしましたw

微妙だったところ

当たり前といえば当たり前ですが、アメリカのデータになります故、日本人の常識とは少し違ったところもあって、"ほんまかいな?"と感じる部分も多少あったという感はあります。とはいえ、すべてはデータ!! なのでデータを見ていくところから凡人たちは始めようず。

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